法律力

書店でふと目についたので買ってみる。
金融業に携わると民法は必修科目で、法学部生が好まれるのもよくわかる。
数字屋な商学部も大事だが、会社の財務諸表は経理部とかが作っててすでに所与なわけだから利用者である経営層や債権者は当たり前ということになってきて、もっと大事なのは法律力であるという筆者の問題提起。
法治国家である我が国にとっては法律は最も大事な知識であることは間違いない。
なぜ自分が所属している国の憲法や法律を知らないというのはおかしいことだ、というのは間違いないのに、めんどくさい、法律が身近にない、文章が小難しいというのもあり一般には受け入れられてないのは我が国特有の国民性なのだろうか。
法律にないことはさばけない、いや、裁いてはいけないという方がごもっともだがどこまで縛れるのか。
理屈だけで人は動けないが、いざというときの判断のよりどころとして、最後は文書なのは間違いない。
思い込みだけで解決するなら、法律はいらず唯一絶対の君主がいればよい。
しかし、それでは歴史が失敗していると。資本主義も失敗しかかっているが、貧富の差をやむなしで認めないと現在がないのも事実。失業があふれて、思い思いののまま無秩序になるとメンドクサイのもこれまた真実。
他人の権利を侵害する不法行為を防止すべく、これまたわけのわからん現代社会よりも、そもそも我が国がどうなっているかを知った方が後々の行動にプラスになるのではないかと思う
行政も広報や教える力の限界があるから官報公布ですませているが、それだけで国民がみな知っている状態であるとみなすのは怠慢ではなかろうかと思う。
いかに国民全員に伝えるかという問題は非常に難しく、自分に関係ない法律を無理やりよまさせられるのも苦痛。
だが、その苦痛があるなら、新たな法律はつくならい、あるいはおかしなことに気づくというのも生まれるのでアリではないかと思うが、そうすると政治がおこないにくくなるから、現実はないなと思う。