確定申告(e-tax)

電子認証を得るのをすっかり忘れていて、結局ギリギリに対応。
まずは行政(市役所)に行って、住民基本台帳カードの作成をせねば電子認証は受けられないと。
納税者である私を特定するために住民基本台帳カードを作成するわけだが、これは住民税をすでにはらっているのに、行政の都合で納税者本人が負担せねばならんというのはどういうことかと思いつつも、申告期限が3月16日までということもあり普通にホイホイと従う。
その後の電子認証は楽勝作業であるにもかかわらず、これまた納税者の負担。
行政(税務署)の負担軽減、人員削減・効率化のためにやっているならそれなりの誠意を見せてほしいものだ。これだから、流行らないのかもしれん。
行政が効率化して、人件費等が削減され浮いたコストで発行手数料や機器購入費用等を住民に還元すべきなのに、先に納税者に費用負担をさせてちょっとした税額控除というのは、最初っから失敗してるな。やる気が問われる。


住基ネットカードを作って電子認証が完了するのに、30分程度。それぞれ500円の負担。
流行ってないのを幸いに、待ち時間なくスムーズに終わる。
確定申告をするのにこれだけでは不十分というのが行政のイケてないところ。
住基ネットカードはただのICチップが入ったプラスチックカードなわけで、この情報を読み込んで、行政システムにつなぐ必要があるということ。その機器を買うのもこれまた納税者と、負担が大きすぎやしないか。


ということで、池袋ビックカメラまで購入に行かねばならん。
行政の効率化のためにやってるのに、怠慢すぎやしないか。
このために国の方でも莫大なシステム費がかかってるだろうに、それは民間の大手システム会社への特別な利益の供与ではなかろうかと思えてしまう。
実際のICカードライタとかいう名前だが、writerということで情報を住基ネットカードのICチップに書き込むからwriterなのか、いやいや、ICチップ情報を読み込んで行政システムへ書き込むためにwriterなのかよくわからんが、知らなくてもいいか。
NTTとSharpがあったが、値段が一緒だったので民間を応援したいとの思いから、Sharp製を購入。
ついでに、家に電気ポットがなかったのでこれも合わせて購入。
これで毎朝、茶を作るためにお湯を沸かす手間が省けるし、コーヒーを淹れるお湯を沸かす手間も省けて朝の時間短縮につながるかもしれん。


家に帰って国税庁HPから、平成20年度の私の所得に応じた納税分を確定申告するわけだが、ここでもワナが張り巡らされている。
先ほど購入したICカードライタだが、PCは当然初めての機器なのでOS経由で操作させるためのドライバを入れねばならん。
最近のOSは優秀で勝手にドライバをインストールし始めるわけだが、これがワナというのに気づくのは30分後。
OSの自動認識でドライバが入ったあと、住基ネットカードの情報を読み込む等の操作ができるソフトをダウンロード後インストールしなければならないと。
何ができるか、何をするのはよくわからないがとりあえず必要とのことでインストール。
ここまで準備して、確定申告が始まると思いきや、もう一段階作業が必要。
それは、私の納税者番号の発番。
電子認証で、私の個人番号も発番してもらってると思いきやそうではないらしい。
市区町村という地方公共団体国税庁のシステムが違うからか、新たに納税者番号を発番してもらわないと、行政としては誰から納められた税金かわからないらしい。
同じ行政なのに、不都合が生じるというワナ。一貫したシステムではなくつぎはぎなので生じてしまう非効率さは目も当てられないが、民間も一緒のことやってるし、いかに大きな目線で情報システムを作っていないかというのがよくわかるね。
予算取れないからどこもかしこもツギハギだろうけど。


ということで、生年月日・住所・氏名と納税すべき税務署を指定して、16桁の納税者番号が発番され、やっと確定申告手続きに。
ここまでするのが見えてるんだったら、最初っから紙の方が早そうだが、引けない。
国税庁が案内してるのは電子認証で楽チンというが、現実は楽ではない。
普通の人は嫌になって、税理士にお任せした方がいいやと思うのも無理はない。
ということで、確定申告手続きに。
所詮、雇われ者のリーマンである私にとっては所得税の納税手続きなんて楽なもの。
ここでもFPで勉強してきたから、そう思うわけであって普通の人に税金は無縁だからわからんわなとも思う。わけのわからん現代社会より納税実務の方が重大と思うが、どうなんだろうね。
ホイホイと給与所得等を入力し、確定申告完了と思った最後にワナにはまる。
なんと、ICカードライタが認識しませんとのエラーメッセージが!
そんな馬鹿なと思い、先ほどのワケのわからんダウンロードしたソフトを使ってみると正しく認識している。
よくある質問等でエラーの対処法として、ドライバとソフトをいったんアンインストールし、再度、メーカーのドライバをインストールせよとのこと。
他にやるべきこともわからないので、そのまま言われるがままに再インストールしてみて、再度納税者番号発番に戻り同じことの繰り返しすと、問題なくエラーは出なかったと。
すべての確定申告を終えるのに、1時間30分は費やしたな。
意味不明なエラーが出なかったら半分以下だったと思うが、ワナがありすぎた。
電子納税することで、5000円の税額控除が得られるわけだが、これに費やした行政費用1000円と、機器代2430円と調べる時間や電車代、PC上での格闘時間を考えるともっと控除すべきじゃなかろうか。
少しの経済効果を得るのが目的ではなく、電子納税、いわゆるe-taxを経験する意味でやってみたがとんでもないシロモノだったな。
ただでさえ納税手続きに国民が負担を強いられている中、さらに負担がかかるのがe-taxということは公にはいえないので、便利ですよとうたっているが、実態はトンデモでしたという1日。
何でもシステムにすればいいというものではないというのがよくわかる経験でしたとさ。
これにかかった国費はいくらなのか、本当に知りたいところである。誰か教えてくれないかな。
というか、税金で作ったシステムだから、国は公表する義務があるはずであり、納税者の意思をメンドクサイという理由のみで公務員が棄却するわけもないから応えるはずだろう。
誰もこんな訴えをしないのは、マスコミもリーマンであり年末調整で納税義務が完遂しているから意識がないからに違いない。